福島第一原子力発電所で何が起こったか?

事故の全容解明に挑んだ書籍を世界に向け出版

2015年9月30日、東京|ハイデルブルク

原子力発電分野の専門家である石川迪夫博士は、2011年3月に発生した福島原発事故の全容解明に挑んだ書籍を、世界に向け英文で出版しました。新刊「A Study of the Fukushima Daiichi Nuclear Accident Process」では、炉心溶解と水素爆発を引き起こした背景が明らかにされ、原発の安全設計への新提案がなされています。

第一部では、福島第一原発の1、2および3号機でどのように炉心溶解が起こったかについて考証を行っています。この分析は、スリーマイル島原発炉心溶解事故の分析結果と1970年代に米国、ドイツ、日本によって実施された燃料挙動実験の結果に基づいています。東京電力が発表した「福島原子力発電事故調査報告書」のデータに矛盾することなく、事故プロセスを説明しています。

第二部では、事故現場の環境放射線レベルがどのようにして二度にわたって上昇したのかが解き明かされています。最初に放射線レベルが上昇したのは、消防ポンプの接続作業に関連した1および3号機のわずかな開口部からの漏洩にすぎませんでした。二回目の放射線レベル上昇では、2号機から放射性物質が直接放出される事態につながりました。避難が求められる放射線量の妥当性とそのタイミングが、事故プロセスとの関連で考察されています。さらに、自然災害からの防御を高めるため、原子力発電所を取り囲む堤防の必要性についても検分されています。安全設計と緊急時への備えに関する新提案は、この事故の教訓に加えて新たな知見に基づいたものとなっています。最後に、福島第一原発廃炉の基本的な考え方と復旧計画が紹介されています。

本書は、2014年に一般社団法人日本電気協会新聞部より刊行された和書、石川迪夫著「考証 福島原子力事故 炉心溶解・水素爆発はどう起こったか」をもとにした英語版書籍です。


石川迪夫(いしかわ・みちお)博士:原子力発電とその安全性の分野で50年を超える経歴があります。日本原子力研究開発機構(前日本原子力研究所)の一員として、日本初の原子力発電所である日本動力試験炉(JPDR)の建設と運転に取り組んできました。日本動力試験炉の最終的な廃炉の指揮管理にも携わりました。30年に渡り原子力安全委員会(NSC)と原子力安全・保安院の顧問メンバーを務め、日本原子力技術協会の理事長(2005-2008年)および同協会の最高顧問(2008-2012年)も歴任しています。 


英文書籍情報

Michio Ishikawa
A Study of the Fukushima Daiichi Nuclear Accident Process
What caused the core melt and hydrogen explosion?

Springer 2015, 232 p., 39 illus., 36 in color
Softcover €99,99 | £90.00 | $129.00
ISBN 978-4-431-55542-1
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